びまん性食道痙攣

注意:このページでは、胸の痛みや胸の苦しさの鑑別疾患としてのびまん性食道痙攣について記載しています。びまん性食道痙攣の診断がすでに着いている方を消化器内科をご受診ください。ご来院いただいても消化器内科へのご案内となってしまうことを予めご了承ください。

【びまん性食道痙攣とは】

びまん性食道痙攣という疾病概念があります。突然食道が痙攣を起こす病気で、胸の圧迫感、喉が詰まる感じ、食べ物が飲み込めないなどの症状を来します。労作時、ストレス時に起こることもあり、症状だけでは狭心症発作と区別が難しいことがあります。

【びまん性食道痙攣の診断】

びまん性食道痙攣の診断は、消化管内視鏡や食道造影によって痙攣を起こしている食道を直接確認するか、食道内圧測定検査によって診断します。しかし、検査時に痙攣を起こさないことも多く、その場合は診断は困難です。また、狭心症発作との鑑別が重要で、心電図、冠動脈CT、冠動脈カテーテル検査、冠攣縮性狭心症の誘発試験などの適応を考慮します。お茶の水循環器内科では主に狭心症との精査鑑別から検査を行って行きます。

【びまん性食道痙攣の治療】

びまん性食道痙攣の診断が着いた場合や、症状から強く疑う場合には、痙攣抑制効果を期待して、平滑筋弛緩作用のある薬物を投与します。診断が付く前に、効果があるかどうか治療反応性を見るために治療的診断を行う場合もあります。

・カルシウム拮抗薬
食道平滑筋に作用して、平滑筋弛緩作用によって、痙攣発作を予防します。しかし、食道と胃をつなぐ噴門括約筋にも作用してしまうので、逆流性食道炎の悪化につながってしまうこともあり、注意が必要です。

・硝酸薬
食道平滑筋に作用して、筋肉の収縮を和らげることによって、痙攣発作の予防効果を期待します。しかし、狭心症があった場合に、心臓の結果、冠動脈にも作用して狭心症発作に対して効いたのかわからなくなってしまうので、狭心症が疑われる場合にはまずは狭心症の精査除外から検査を進めます。

・ 抗コリン薬
ブスコパン(ブチルスコポラミン)など、痙攣止めです。ブスコパンが効くかどうか反応を見つつ、頓服で使う場合があります。

・制酸薬
ガスター(ファモチジン)など、胃酸の逆流の関与を疑う場合に使います。食道や胃に異常がないか上部消化管内視鏡検査を行います。

・芍薬甘草湯、半夏厚朴湯、他
芍薬甘草湯は筋肉の急な痙攣による痛みに対して、半夏厚朴湯は喉の異物感に対して使います。

・他
その他、ストレスの関与が強い場合には精神療法、ボツリヌス毒素食道括約筋内注射、バルーン等による食道拡張術、食道平滑筋切開術などの外科的治療もありますが、割愛します。

【まとめ】

びまん性食道痙攣は症状からは狭心症と見分けが付かないことがあります。お茶の水循環器内科ではまずは狭心症が疑われる場合は狭心症の精査から検査を進めていきます。狭心症が否定された場合、びまん性食道痙攣が疑われる場合は食道内圧測定等の専門的な検査が必要になりますので、適宜消化器内科の病院へ紹介します。いずれにせよ、命に関わる心疾患との精査鑑別が重要です。


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