先端巨大症

【先端巨大症とは】
先端巨大症(Acromegaly)とは、成長ホルモン過剰分泌が原因で二次性高血圧症の原因疾患の一つです。二次性高血圧症とは何らかの原因があり、その症状の一つして血圧が上がっている状態であり、内分泌疾患としては原発性アルドステロン症、クッシング症候群などがあります。下垂体性成長ホルモン分泌亢進症とも呼ばれ、下垂体腫瘍による成長ホルモン(Growth hormone: GH)の過剰分泌が原因です。骨端線閉鎖前に発症したものは下垂体性巨人症(Pituitary gigantism)と言い、小児の病気です。

【先端巨大症の診断】
症候としては、手足の容積の増大、先端巨大症様顔貌(眉弓部の膨隆、鼻・口唇の肥大、下顎の突出など)、巨大舌などが特徴です。参考所見としえは、発汗過多、頭痛、視野障害、女性における月経異常、睡眠時無呼吸症候群、耐糖能異常、高血圧、咬合不全、頭蓋骨および手足の単純X線の異常など多岐に渡ります。スクリーニング検査としては成長ホルモン(GH)を測定します。さらに確定診断のための検査としては、ブドウ糖負荷試験、血中IGF-1(ソマトメジンC)、頭部MRIまたはCTにて下垂体腺腫の有無の評価などがあります。お茶の水循環器内科の方針としてはスクリーニング検査にて採血または頭部画像検査にて先端巨大症を疑った場合には、内分泌内科へ紹介する方針としています。詳しくは日本間脳下垂体腫瘍学会「先端巨大症および下垂体性巨人症の診断と治療の手引き(平成24年度改訂)」をご覧ください。
https://square.umin.ac.jp/kasuitai/doctor/guidance/sentan_kyodai.pdf

【先端巨大症の治療】
お茶の水循環器内科の方針としては、二次性高血圧症のスクリーニング検査として採血にて先端巨大症を疑った場合には内分泌内科に紹介し、精査及び治療を行うようにしています。治療の原則としては、ホルモンの状態を正常な状態に戻ることです。手術療法、薬物療法、放射線療法の3つがあります。具体的には、
・経蝶形骨洞的下垂体腫瘍摘出術
・ソマトスタチン誘導体、GH受容体拮抗剤の投与
・定位的放射線治療
合併症に対する治療として、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、心疾患、変形性関節症、睡眠時無呼吸症候群、悪性腫瘍(特に大腸癌)などがあります。詳しくは日本間脳下垂体腫瘍学会「先端巨大症および下垂体性巨人症の診断と治療の手引き(平成24年度改訂)」をご覧ください。
https://square.umin.ac.jp/kasuitai/doctor/guidance/sentan_kyodai.pdf