1型糖尿病

【1型糖尿病とは】

1型糖尿病(type 1 diabetes)とは、膵臓のβ細胞というインスリンを分泌する細胞が壊れてしまう病気です。同じ糖尿病でも、主に暴飲暴食や運動不足などの生活習慣が原因で発症する2型糖尿病とは別の病気です。血糖を下げるインスリンというホルモンが足りなくなったり、全く出なくなるので高血糖になります。高血糖状態が続くと、太い血管や細い血管がだんだんと傷んで行き、糖尿病合併症を発症します。治療の目的は糖尿病合併症を防ぐことです。詳しくは国立国際医療研究センターの糖尿病情報センターのページをご覧ください。

http://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/050/index.html

【1型糖尿病の原因】

1型糖尿病の原因は全て解明されている訳ではありませんが、自分の身体の細胞を間違って攻撃してしまう自己免疫性であると言われています。実際、1型糖尿病の患者さんの血液を調べると、抗GAD抗体、IA-2抗体、抗インスリン抗体などの自己抗体が見付かることがあります。インスリン分泌量が減少し、最終的にはインスリンが必須の状態、インスリン依存状態へと至ります。発症と進行のスピードから次の3つの分類があります。

・劇症1型糖尿病

急激に発症し、1週間前後でインスリン依存状態に至るもの

・急性発症1型糖尿病

発症から数ヶ月間でインスリン依存状態に至るもの

・緩徐進行1型糖尿病(slowly progressive insulin-dependent diabetes mellitus: SPIDDM)

発症から半年から数年かけて緩徐にインスリン分泌が低下していくもの、発症初期は2型糖尿病と見分けが付かないことがありますが、進行状態を見ていくことや自己抗体を測定することで緩徐進行1型糖尿病だったと分かる場合があります。逆に急激な血糖状態の悪化した場合に、1型糖尿病の抗体をチェックすることがあります。

【1型糖尿病の合併症】

糖尿病の合併症に関しては、1型糖尿病、2型糖尿病、大きな違いはありません。糖尿病合併症は、まずは大きく大血管障害と微小血管障害の2つに分けられます。大血管障害とは、文字通り太い血管が動脈硬化を起こすことが原因です。具体的には、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、末梢動脈疾患です。心臓の血管、脳の血管が詰まると命に関わります。微小血管障害は、細い血管の障害です。微小血管障害は主に3つあり、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経症、これを糖尿病の3大合併症と呼ばれます。

・糖尿病性網膜症:眼の網膜というところにある血管が障害を受けます。視力障害、進行すると失明に至ります。失明、視力障害に起こした後に元に戻す治療法がありません。予防が第一です。

・糖尿病性腎症:腎臓は細い血管の集まりです。腎臓の機能がだんだんと低下して行き、慢性腎臓病、進行すると人工透析に至ります。人工透析、慢性腎臓病が悪化してから後から元に戻す治療法がありません。予防が第一です。

・糖尿病性神経症:心臓から一番遠い下肢の神経が障害を受けます。末梢動脈疾患と合わせて進行すると糖尿病性足病変、下肢壊疽、下肢切断に至ります。予防が第一です。

他に糖尿病の関連疾患として、易感染性、白内障、緑内障、顔面神経麻痺、歯周病、胆石、脂肪肝、勃起障害、自律神経障害などが関連していると言われています。

【1型糖尿病の治療】

1型糖尿病の治療はインスリン療法です。1型糖尿病は、2型糖尿病とは違い、インスリンが出ないことが原因ですので、インスリンの補充が必須です。病状にも寄りますが、食事に関係なく一日ずっと分泌されている「基礎インスリン」と、食事ごとに分泌される「追加インスリン」の2つがあります。

・持効型インスリン

持続的に効果が持続するインスリンです。基礎インスリンを補充する目的で使います。一日一回皮下注射、作用発現時間は1-2時間、明らかなピークがなく、24時間効果を発揮します。ランタス(インスリングラルギン)、トレシーバ(インスリンデグルデク)、レベミル(インスリンデテミル)などがあります。

・超速効型インスリン

すぐに効いてすぐに効き目が切れるインスリンです。追加インスリンを補充する目的で使います。食後高血糖に対し、毎食後皮下注射します。作用発現時間は10-20分、作用のピークは薬剤によりますが30分から3時間ほど、作用持続時間は3-5時間です。ノボラピッド(インスリンアスパルト)、ヒューマログ(インスリンリスプロ)、アピドラ(インスリングルリジン)などがあります。

1型糖尿病のインスリン療法は、基礎インスリンと追加インスリンを上手く組み合わせて行います。基本インスリン一日一回と、食事ごとに追加インスリンを投与していく、頻回注射法が基本です。

・インスリン治療に加えて、インスリン治療をサポートするように、経口血糖降下薬も併用することがあります。

他に、持続皮下インスリン注入法、インスリンポンプなどの治療法があります。研究中の治療法としては、膵臓移植、膵臓移植、再生医療などがあります。

お茶の水循環器内科では糖尿病外来を行っています。1型糖尿病の検査、1型糖尿病の診断、糖尿病の経口血糖降下薬、インスリン療法の導入、教育入院の相談、インスリン治療の継続など、様々な糖尿病の診療を行っています。お気軽に主治医までご相談ください。


 

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