副甲状腺機能亢進症

【副甲状腺機能亢進症とは】
副甲状腺機能亢進症(Hyperparathyroidism)とは、副甲状腺ホルモン(Parathyroid hormone: PTH)が過剰に分泌されている状態です。副甲状腺ホルモンは主にカルシウムの濃度を調整しており、副甲状腺ホルモンが過剰だと高カルシウム血症を来します。二次性高血圧症の原因の一つとして副甲状腺機能亢進症が見つかることもあります。二次性高血圧症とは何らかの原因があり、その症状の一つして血圧が上がっている状態であり、内分泌疾患としては原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫などがあります。副甲状腺そのものが原因のもの、原発性副甲状腺機能亢進症と、慢性腎臓病等の副甲状腺以外が原因のもの、続発性副甲状腺機能亢進症と2種類があります。詳しくは伊藤病院のホームページをご覧ください。
https://www.ito-hospital.jp/02_thyroid_disease/03_2about_php.html

【副甲状腺機能亢進症の診断】
副甲状腺機能亢進症の症状としては、高カルシウム血症による症状として、易怒性、頭痛、全身倦怠感、食欲低下、便秘などがあります。副甲状腺ホルモンは骨からカルシウムを血中へと移動させるため、副甲状腺機能亢進症では、骨密度低下、骨粗鬆症、骨折にも関係します。高カルシウム血症が続くと、尿中のカルシウム濃度も高くなり、尿路結石の原因となったり、血管内にカルシウムが沈着し、石灰化の所見となったりします。症状がはっきりしない場合には採血検査にて見つかる場合もあります。採血では、カルシウム濃度、副甲状腺ホルモン(intact-PTH)、リン、腎機能などを測定します。高カルシウム血症かつ高PTH血症であれば副甲状腺機能亢進症と診断になります。次に、さらに専門的な検査として、副甲状腺エコー、副甲状腺シンチグラフィ、頚部CT検査、悪性腫瘍を疑い場合には副甲状腺生検などの検査を行います。お茶の水循環器内科の方針としてはスクリーニング検査にて採血にて副甲状腺機能亢進症を疑った場合には、内分泌内科へ紹介する方針としています。

【副甲状腺機能亢進症の治療】
お茶の水循環器内科の方針としてはスクリーニング検査にて採血にて副甲状腺機能亢進症を疑った場合には内分泌内科へ紹介し、精査及び治療を行う方針としています。治療の原則は副甲状腺機能亢進症の原因に対する治療と、副甲状腺機能亢進症による高カルシウム血症に対する治療です。副甲状腺腫瘍が見つかった場合には副甲状腺腫瘍に対して外科的切除、高カルシウム血症に対しては程度によりますが、軽度であれば経過観察、重度であれば輸液、カルシトニン投与等でカルシウム濃度の正常化のための治療を行うこともあります。詳しくは慶應義塾大学病院腎臓・内分泌・代謝内科のページをご覧ください。
https://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000130.html