【腎動脈狭窄症とは】
腎動脈狭窄症とは、腎動脈に狭窄を起こした状態です。腎臓の血流低下から腎機能障害、腎前性腎不全の原因となったり、腎動脈の血流低下から腎臓や副腎からのホルモンが亢進、腎血管性高血圧の原因となることがあります。腎動脈狭窄症自体の特有の自覚症状はありません。二次性高血圧のスクリーニング検査の一貫として、理由の説明出来ない腎機能低下、理由の説明出来ない心不全等を見た場合等に腎動脈の狭窄の有無を調べます。
【腎動脈狭窄症の検査】
腎動脈エコー、腎動脈MRI、腎動脈CT等にて腎動脈狭窄の有無と程度を評価します。腎動脈エコーは簡便で無侵襲ですが、肥満の場合など血管が詳しく見えない場合があります。腎動脈MRIは侵襲がなく、安全です。さらに詳しく検査としては腎動脈血管造影検査もあります。
【腎動脈狭窄症の治療】
腎動脈狭窄症の治療としては、保存的治療と侵襲的治療があります。
・カルシウム拮抗薬
アムロジン(アムロジピン)、アダラート(ニフェジピン)、コニール(ベニジピン)、等
まずは血管拡張作用、カルシウム拮抗薬にて腎動脈の狭窄を解除、血圧コントロールを図ります。腎動脈狭窄症に対して、保存的治療で腎機能、血圧がコントロール可能な場合もあります。
・経皮的腎動脈形成術
カテーテルで腎動脈へアプローチ、バルーン拡張術で腎動脈を直接広げ、場合によっては腎動脈ステント留置術を行うことで、腎動脈の狭窄を解除します。腎動脈カテーテル、腎動脈ステント留置を行うかどうかは専門医の判断となります。必要な場合は専門科へ紹介しています。
【腎動脈狭窄症の予防】
腎動脈狭窄症は明らかな原因が特定出来ない場合、大動脈疾患に続発する場合、動脈硬化性などが関連しています。
・高血圧症→https://循環器内科.com/ht
・脂質異常症→https://循環器内科.com/dl
・糖尿病→https://循環器内科.com/dm
・喫煙→https://循環器内科.com/smoking
・大量飲酒→https://循環器内科.com/ld
一般に、動脈硬化の危険因子がある場合は、腎動脈狭窄症に限らず、冠動脈、頸動脈、脳血管の動脈硬化のリスクです。修正可能な危険因子があれば管理することが大切です。