心室細動

【心室細動とは】

心室細動(Ventricular fibrillation: VF)とは、致死的不整脈の一つで、心臓の心室という場所が不規則に細かく動き、全身に血液を起こることが出来ない状態です。心停止を起こす不整脈のうち、迅速な除細動で救命が期待出来るものの一つです。詳しくは国立循環器病研究センターのページをご覧ください。

「危険な不整脈とその治療」→http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/heart/pamph71.html

【心室細動の診断】

突然意識を失って、正常な呼吸をしていない場合、心停止を疑って心肺蘇生を開始する必要があります。脈拍は触れず、呼び掛けや痛み刺激に対して反応がありません。院外の場合は、胸骨圧迫と自動体外式除細動器(Automated external defibrillator: AED)による迅速な除細動によって救命を目指します。心肺蘇生について詳しくは下記のページをご覧ください。

心肺蘇生→http://循環器内科.com/cpr

【心室細動の治療】

心室細動を引き起こしている原疾患があれば原疾患を治療します。特発性の心室細動の場合、埋込型除細動器(Implantable cardioverter defibrillator: ICD)の適応を考慮します。

埋込型除細動器→http://循環器内科.com/icd

「不整脈非薬物治療ガイドライン」では、二次予防か一次予防か、冠動脈疾患の有無について、ICDの適応基準を定めています。

詳しくは「不整脈非薬物療法ガイドライン」をご覧ください。

「不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)」 →http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2018_kurita_nogami.pdf

基礎心疾患がある患者に対する二次予防

冠動脈疾患にともなう持続性VT,VF に対するICD適応の推奨

・心筋梗塞の既往を有し,解除できる残存虚血や電解質異常などの可逆的な要因がないVFまたは電気ショックを要する院外心肺停止:I A

・心筋梗塞の既往を有し,解除できる残存虚血や電解質異常などの可逆的な要因がない持続性VT で,以下の条件のいずれかを満たす場合:I A

①LVEF ≦ 35%

②VT中に失神をともなう場合

③VT中の血圧が80mmHg 以下,あるいは脳虚血症状や胸痛を訴える場合

④多形性VT

⑤血行動態の安定している持続性VTであっても薬剤治療が無効,あるいは副作用のため使用できない場合や薬効評価が不明な場合,もしくはカテーテルアブレーションが無効あるいは不可能な場合

・持続性VTがカテーテルアブレーションにより誘発されなくなった場合:IIa B

・持続性VTを有し,臨床経過や薬効評価にて有効な薬剤がみつかっている場合:IIa B

・冠攣縮にともなう院外心肺停止を含むVT/VF既往例で,内科的治療に抵抗性の場合:IIa B

・冠攣縮にともなう院外心肺停止を含むVT/VF既往例で,内科的治療が有効の場合:IIb C

・急性の原因(冠攣縮を除く48時間以内の急性虚血,電解質異常,薬剤など)によるVT,VFの可能性が高く,十分な治療にもかかわらず再度その原因に暴露されるリスクが高いと考えられる場合:IIb C

・慢性疾患による身体機能制限:III C

・12ヵ月以上の余命が期待できない場合:III C

・精神障害などで治療に際して患者の同意や協力が得られない場合:III C

・急性の原因(冠攣縮を除く急性虚血,電解質異常,薬剤など)が明らかなVT,VFで,その原因の除去によりVT,VFが予防できると判断される場合:III C

・抗不整脈薬やカテーテルアブレーションでコントロールできない頻回に繰り返すVT あるいはVF:III C

・心移植,CRT,LVADの適応とならないNYHA心機能分類IVの薬物治療抵抗性の重度うっ血性心不全 :III C

非虚血性心筋症にともなう持続性VT,VFに対するICD適応の推奨

・電解質異常などの可逆的な要因によらないVFまたは電気ショックを要する院外心肺停止:I A

・電解質異常などの可逆的な要因がない持続性VTで,以下の条件のいずれかを満たす場合:I C

①VT中に失神をともなう場合

②頻拍中の血圧が80mmHg 以下,あるいは脳虚血症状や胸痛を訴える場合

③多形性VT

④血行動態の安定している単形性VTであっても薬剤治療が無効,あるいは副作用のため使用できない場合や,薬効が不明な場合,もしくはカテーテルアブレーションが無効あるいは不可能な場合

・持続性VTがカテーテルアブレーションにより誘発されなくなった場合:IIa B

・持続性VTを有し,臨床経過や薬効評価にて有効な薬剤がみつかっている場合:IIa B

・急性の原因(心不全,電解質異常,薬剤など)によるVT,VFの可能性が高く,十分な治療にもかかわらず再度その原因に暴露されるリスクが高いと考えられる場合:IIb C

・12ヵ月以上の余命が期待できない場合:III C

・精神障害などで治療に際し患者の同意や協力が得られない場合:III C

・急性の原因(急性虚血,電解質異常,薬剤など)が明らかなVT,VF で,その原因の除去によりVT,VFが予防できると判断される場合:III C

・抗不整脈薬やカテーテルアブレーションでコントロールできない,頻回に繰り返すVTあるいはVF:III C

・心移植,CRT,LVADの適応とならないNYHA心機能分類IVの薬物治療抵抗性の重度うっ血性心不全:III C

基礎心疾患がある患者に対する一次予防

冠動脈疾患患者に対するICD一次予防適応の推奨

以下のすべてを満たす患者でのICDの使用:Ⅰ A

①冠動脈疾患(心筋梗塞発症から40日以上経過,冠血行再建術後90日以上経過)

②十分な薬物治療

③NYHA心機能分類II以上の心不全症状

④LVEF≦35%

⑤NSVT

以下のすべてを満たす患者での ICD の使用:Ⅰ B

①冠動脈疾患(心筋梗塞発症から40日以上経過,冠血行再建術後90日以上経過)

②十分な薬物治療

③LVEF≦40%

④NSVT

⑤電気生理検査でのVT/VFの誘発

以下のすべてを満たす患者でのICDの使用:IIa B

①冠動脈疾患(心筋梗塞発症から40日以上経過,冠血行再建術後90日以上経過)

②十分な薬物治療

③NYHA心機能分類II以上の心不全症状

④LVEF≦35%

以下のいずれかを満たす患者でのICDの使用

①慢性疾患による身体機能制限

②余命が1年以上期待できない例

③心移植,CRT,LVADの適応とならないNYHA心機能分類IVの薬物治療抵抗性の重度うっ血性心不全:III C

非虚血性心筋症患者に対するICD一次予防適応の推奨

以下のすべてを満たす患者でのICDの使用:Ⅰ A

①非虚血性心筋症

②十分な薬物治療

③NYHA心機能分類II以上の心不全症状

④LVEF≦35%

⑤NSVT

以下のすべてを満たす患者でのICDの使用:IIa B

①非虚血性心筋症

②十分な薬物治療

③NYHA心機能分類II以上の心不全症状

④LVEF≦35%

以下のいずれかを満たす患者でのICDの使用

①慢性疾患による身体機能制限

②余命が1年以上期待できない例

③心移植,CRT,LVADの適応とならないNYHA心機能分類IVの薬物治療抵抗性の重度うっ血性心不全:III C

「不整脈非薬物治療ガイドライン」では、多形性心室細動に対してカテーテルアブレーションの適応基準を定めています。

多形性 VT・VF に対するカテーテルアブレーションの推奨

・右室流出路あるいは末梢プルキンエ線維起源のPVCを契機とする反復性の特発性多形性VTあるいは特発性VFにおいて,薬物治療が無効または副作用のため使用不能な場合:I B

・末梢プルキンエ線維起源のPVCを契機とする反復性の虚血性多形性VTあるいはVFにおいて,心筋虚血改善治療に反応せず,薬物治療が無効または副作用のため使用不能な場合:IIa B

・ブルガダ症候群において,VF 発作が頻回で,薬物治療が無効または副作用のため使用不能な場合:IIb C

・心筋炎,アミロイドーシス,弁膜症,非虚血性心筋症,QT延長症候群,早期再分極症候群,カテコラミン誘発性多形性 VT を基礎疾患とし,右室流出路あるいは末梢プルキンエ線維起源の PVC を契機とする反復性の多形性 VT あるいは VF において,薬物治療が無効または副作用のため使用不能な場合:IIb C

詳しくは「不整脈非薬物療法ガイドライン」をご覧ください。

「不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)」 →http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2018_kurita_nogami.pdf

・抗不整脈薬

シンビット(ニフェラカント)、アンカロン(アミオダロン)、ソタコール(ソタロール)、などの抗不整脈を心室細動の予防に使います。

詳しくは「不整脈薬物治療に関するガイドライン」をご覧ください。

「不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)」→http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_kodama_h.pdf

【心室細動の原因】

心室細動の原因は多岐に渡ります。原因不明のものから、急性心筋梗塞の合併症として、心筋虚血による電気的な不安定性から心室細動が起こる場合、電解質異常、心不全、肥大型心筋症、拡張型心筋症などの心筋症、サルコイドーシス、Brugada症候群、QT延長症候群など、いくつか疾患が心室細動を起こしやすい疾患が知られています。詳しくは下記ページをご覧ください。

急性心筋梗塞→http://循環器内科.com/ami

不安定狭心症→http://循環器内科.com/uap

Brugada症候群→http://循環器内科.com/brugada

心不全→http://循環器内科.com/hf

肥大型心筋症→http://循環器内科.com/hcm

拡張型心筋症→http://循環器内科.com/dcm

【心室細動の予防】

心停止は様々な原因で起こりますが、突然の院外心停止で最も多い原因の一つが急性心筋梗塞に伴う心室細動による心停止です。急性心筋梗塞は動脈硬化が原因で起こります。動脈硬化は、以下のリスク因子を管理することでコントロール可能です。高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙などの動脈硬化のリスク因子があれば、それぞれの治療をしっかりと行いましょう。

・高血圧症→http://循環器内科.com/ht

・脂質異常症→http://循環器内科.com/dl

・糖尿病→http://循環器内科.com/dm

・喫煙→http://循環器内科.com/smoking

・大量飲酒→http://循環器内科.com/ld


 

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